今日はセビージャの市内観光から始まる。新しい名物の斜め橋から、スペイン広場、アルカサル（王宮）、カテドラル（大聖堂）である。そして夜にフラメンコ見物（ディナーショー）。

　セビージャは、城塞都市であり、やはり2000年前にローマ人が作った城壁が残る。その中が旧市街であり、外が新市街となる。旧市街にうっかり夜に入ると迷子になったあげく、身ぐるみはがされるそうである。おお、こわ。

　斜め橋というのは、吊り橋なのだが、支柱が斜めに張ってあり、そこから鉄線で橋を吊るという面白い構造をしている。7年前に出来た（セビリヤ万博のときね）新しい名物だそうである。スペイン広場はスペイン中の主要都市にあるが、ここセビージャのそれがもっとも大きいとのこと。なぜか、映画「アラビアのロレンス」のロケにも使われたらしい。1929年の建造物だから、比較的新しい。

　アルカサル（王宮）は、14世紀にキリスト教徒の王のために建造されたが、イスラム様式を模している。ムデハル様式といって残存したイスラム教徒の職人をトレドやグラナダから呼び寄せて作ったらしい。アルハンブラ宮殿の装飾に非常に良く似ているが、一部偶像が入っているところがキリスト教徒らしいところである。増築も逐次行われ、16世紀に建てられた隣接建造物は、コロンブスが最初の航海に出る前に女王に謁見したところとしても有名らしい。ちなみにアルカサル本体の太子の間では、支倉常長が国王に謁見している。その現場もその当時のままであり、そこに立っちゃった。なんか変な気分。

　ところで、ここの庭には、レモンの木がいっぱいあり、実もなっている。それを見た相方、「欲しい」と一言。とったら怒られそうなので、写真でいいじゃん、なんて言っていたら、添乗員さんが「とりましょうか？」とおっしゃる。「えぇ！？レモンとってもいいんですか？」というと、単に写真のことだった。まぎらわしいこと、この上ない。相方が勝手に笑っている。

　カテドラル（大聖堂）は、12世紀に最初はモスクとして建造されたものだが、その後大聖堂として改築。7,000坪もあり、世界で三番目に大きいそうである。ちなみに一番はバチカンのサン・ピエトロ寺院であり、二番目はロンドンのセント・ポール寺院とのこと。たしかに大きかった。迫力あった。なんかありがたそうな気もしてくるから、現金なものだ。まあ、綺麗でいいんだけどね。

　ここからは自由昼食となったので、買い物通りを練り歩いた後、二人だけでレストランへ。外のテラスと勧められて、そこで食べたが、外にいたのは我々だけだった。パエーリヤを注文するとすぐに出てきたが、よくよく食べると、チキンライスにそっくりだったのが不思議だ。注文やお勘定（ラ・クエンタ）は通じた。なんだか嬉しい。ところで、このあたりでは、よく「蛍の光」がかかっている。通りではバイオリン弾きがこの曲を弾いていたり、百貨店のCDコーナーでもかかっていたりする。なんだかすぐに閉まっちゃいそうで、居心地が悪い。

　ひとしきり歩くと眠くなってきたので（まだ、時差ボケか？）、ホテルに戻る。部屋でスペインのCANAL2チャネルに合わせると、サリーちゃんのスペイン語吹き替え版をやっていた！スペイン語のサリーちゃんは違和感あるも、画面上では日本語そのまま。ついでに「マハリクマハリタ」は一緒だった。サリーちゃんのパパだけは、スペイン語が良く似合う。

　夜も７時前になると、いよいよフラメンコのディナーショーへ行く時間だ。バスに乗り、案内される。２時間ほど、お食事をいただきながらのフラメンコ見物。期待していた男性ソロは、踊り手がどう見ても荒井注だし、どうも乱暴に踊っているようにしか見えないので×！よっぽど伊勢志摩のパルケ・エスパーニャで見た男性ソロフラメンコの方が迫力も技術も上だった。いい人が来ていたのかもしれない。それに引き替え、女性陣は、はるかに技術も迫力も上だった。これは満足！三番手らしき女性がいちばん良かったのだが、まだトップにはなれないらしい。陰ながら応援することにした。全体的には、フラメンコだけでなく、世界の名曲を元にしたショーもあり、なかなかに楽しめる一夜だった。

　なんだか最近、普通の旅行記になってしまっている。相方の名言も警戒されたか、どうも聞こえてこない。そろそろ油断させてみたい。

　ところで、昨日そうかもしれないと言われていた、フランクフルトにある荷物はどうも他人のものだったらしい。そのかわり、ミラノにそれらしき荷物があると言う。いったいどこを旅しとるんじゃあ！早く帰っておいで。

＜相方コメント＞

　楽しみにしていたフラメンコ。いやぁぁ、やっぱり美しくないといかん！お腹が出たおじさんは却下！志摩スペイン村のフラメンコのお兄さんは結構かっこよかったのになぁぁぁ。お姉さん達は美しくてすっかり楽しみましたっ。やっぱり私は美しいものが好き。　それはそうと、スペイン広場を出たところで相方が突然おもちゃの兵隊になった・・・（タッタカターッタッタカターと言いながら振り付きで行進状態に入る）。あまりの唐突さに「何してるん？？？」と冷たく質問してしまったが、それにもめげずに「え？鼓笛隊だよっ。俺小学校の頃鼓笛隊やってたよ。ここは軍が管理しているんだから、閲兵もしなきゃ」と元気に答えてくれた・・・。そういう問題じゃないのに・・・。