今日は、セビーリャまで移動の日だが、途中でコルドバに寄ることになる。コルドバは元々ローマ人の作った城塞都市であり、その城壁はローマ人の時代のものだ。また2mほど掘り起こせば、ローマ人の住居跡が出てくる。ローマの廃れた後、キリスト教徒が教会などを建築していたが、710年にイスラム教徒がやってきて、ここを都にした。その後、アッバース朝に壊滅させられたウマイヤ朝の生き残りがこの地で即位していたりしている。皮肉なことにスペインが文化的にもっとも栄え、ヨーロッパ中の貴族の子弟がこぞってコルドバに留学していたのは、イスラムの時代だったそうだ。誇り高いスペイン人はそのことに決して触れないそうだ。

　世界で２番目に大きいという、ここのメスキータ（モスク）に入る前に、昼食のレストランへ。牛のしっぽ料理などを頂く。肉はやわらかくて美味しい。それにしても、飲み物といい、デザートのプリンといい、相方の分だけいつも遅れる。まずいなあと思って、自分のを渡そうとすると、同テーブルの他の二人、添乗員さんとおばさんも同時に渡そうとする。三方から同時に皿を渡されようとする相方は目を白黒。ひさしぶりにおばさんたちに愛される相方。あ、自分はおばさんじゃないけど。

　同席のおばさんは、昨日僕たちが行ったアルバイシン地区のことを聞いて、「アルバイトに行った」と思ったらしい。荷物は出てこないわ、アルバイトに行くわで大変なカップルだ、あんたたちはどこへ行っても生きていけると思ったそうだ。いくかっちゅうの。

　あ、そうそう。荷物はどうもそれらしいのが存在することがわかったようだ。といっても、状況証拠で、X線で見てみると、くつと電化製品と甘い物が入っているスーツケースがあるとのこと。くつと電化製品はあたってるけど、甘い物は心当たりがない。ていうか、どうしてX線で甘い物がわかるんだ？不思議の国だ〜。といっても、それはフランクフルトのことだから、ドイツだけど。

　メスキータ（モスク）の中に入る。このモスクは1200年前の建造物だ。重層的な建築物で、まず材料がないので、前からあった１世紀から7世紀までの既存の柱などの材料を使って建てている。だから、柱なども意匠が異なる。それから、モスクの増築や国土回復（レコンキスタ）後も教会施設を増築したりしているので、時代時代による様式の違いが一つの建造物の中で表現されている。

　250年前のリスボン大地震のひび割れが残っていたり、18世紀のロンドン製時計などが大聖堂で今も現役で動いていたりもする。なんか100年、200年がついこの間のような空間で、しびれてしまった。

　メスキータを出ると、ユダヤ人街を歩く。ユダヤ人街といっても、15世紀の国土回復後は、イスラム教徒とともに追い出されたらしいのだけれども、複雑な小道が面白い。ローマ人が攻め込まれた時のために、わざと迷路にしていたそうだ。今は観光客が攻め込んできたとき用なのか何なのか、油断していると小道の上に、うんち地雷が仕掛けてある。あまり上ばかり見ていると、そいつに触れて爆発する。今回も、重傷者と軽傷者の２名が我々のツアーから出た。今後行かれる方は気をつけるべし！

　コルドバを出ると２時間弱でセビーリャに着く。ホテルの部屋に入ると、モジュラージャックはあるが、昨日買った変換コンセントの外部形状が合わない。仕方ないので、バッテリーで明日は過ごすことにする。相方はと見ると、そんなことには一切構わず、「この部屋の椅子とテーブルがかわいい。欲しい！」と駄々をこねる。とりあえず無視しておこう。

　夕食のレストランでは、スペイン風オムレツと揚げ魚。ここではチップと飲み物の精算で、みんなが日本人らしく「わたしが、わたしが」と出し合っているうちに、なんか全員が得するような計算になってしまった。なんかおかしいぞ、夜もねむれん。

＜相方コメント＞

　あんなに沢山写真を撮ったのになんでよりにも寄って一番使って欲しくない写真を載せているのか・・・。確かに非常にのどが渇いていたのでオレンジが食べたいとは思ったけど。私から見た相方はとことんニコチンとパソコン中毒だと判明。たばこがなくなると挙動不審。どんなに素晴らしい観光地にいても話しかけると曖昧に返事してくれるけれど、最後は「たばこ・・・」という一言。ホテルの部屋へ入るとまずはモジュラージャックなど通信用のものを調べ始め、使えないと分かったとたんにキレル。私のこと散々書いてくれているけれど結構自分だって色々あるんじゃないの。わはは。